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| タイ日友好マッサージ協会 |
タイマッサージを 覚えてみませんか |
| 【はじめに】 | ||
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この教材はタイ日友好マッサージ協会主催の「タイ式マッサージ講座スタンダードコース」で用いるために製作したものです。 タイ式マッサージは、本場タイの首都バンコックでも画一的な方法で行われているわけではありません。伝統的な基調を大きく逸れることはありませんが、場所により、術者により様々なバリエーションがあります。 やり方によっては2時間以上に及ぶタイ式マッサージですが、本テキストでは1時間で行える全身への施術を解説しました。多岐にわたるタイ式マッサージのテクニックの中から、学習が容易で安全性の高いテクニックを選んで構成してあります。 | ||
| 施術の順序について |
本テキストでは、マッサージを受ける人の左側から施術するのを基本にしていますが、施術の経過を記憶するのに便利だという他には、特別な理由はありません。 ここで紹介している手順は私が実際の施術に用いているもので、以下の3点に留意して構成してあります。 @マッサージを受ける人の体位変換が少なく、煩わしさを与えない組み合わせとした。 Aマッサージを提供する側の疲れも少ない、合理的な施術方法を解説した。 B手順を思い出すのが容易なよう、前後の施術が滑らかに繋がるようにした。 しかし、あなたが実績を積み重ねより良い組み合わせに行き当ったら、それを反映させるのも自由だと思います。 左右どちらから取り掛かっても良いし、順序を入れ替えてみることも、一部分だけを取り出して試してみることも可能です。 | |
| 【タイ式マッサージの歴史】 | ||
| タイ古典医学の出発点と その後の歩み |
現在「タイ式マッサージ」として世界に知られるようになったこのテクニックの起源は、2500年くらい前のインド古典医学「アーユル・ヴェーダ」であると伝えられています。 当時ある領主の侍医をつとめていたチーワッカ・コーマーラパット師によって医学情報が集大成されました。 それが、仏教の布教活動にともなってインドシナ半島に伝わり、タイの伝統医学の基礎になったのです。師の名前もタイ医学の祖として知られるようになりました。 18世紀、ラーマ三世王朝になって、タイの伝統医学は更に研究・改良が繰り返され、教科書も編纂されました。 涅槃寺として知られるタイ王国最大最古の寺院、『ワット・ポー』では、大理石に彫り移された当時の教科書の一部を見ることができます。その後、これらのタイ伝統医学のうち、マッサージの技法が特に広く知られるようになりました。 | |
| タイ古式マッサージの将来 |
かつてタイ上流社会では、特別な客人を迎えた際のもてなしのひとつとしてタイ式マッサージを供する伝統がありました。 海外から多くの観光客が訪れるようになると、首都バンコックを中心に数多くのマッサージ店が開業し、タイ式マッサージはいよいよ世界に知られるところとなりました。マッサージを教える学校も国内外に設立され、その技術を継承しています。 タイ式マッサージの技術は、手先が器用で、工夫を惜しまないタイの人々の気質を反映して、色々な手技を加え、時代とともにその姿を変えてきました。 今では、患者みずからが行うストレッチ体操や、薬草を用いた治療法の側面は影が薄くなり、もっぱら術者の手足を様々に用いて圧迫やストレッチを行うリラクゼーション法になっています。 これからも技術の吸収と淘汰を繰り返し、“古式”に留まることなく、発展を続けることでしょう。 | |
| 【基本テクニックと施術の心得】 | ||
| タイ古式マッサージの種類 |
広義にいうタイ古式マッサージには以下の3種類があります。 ○薬草を使った皮膚マッサージ ⇒生の薬草を詰めた布を蒸したもので皮膚を擦るマッサージ法があります。現在は寺院などで受けることができます。現在、一般のマッサージショップでは行われていません。 ○自ら行うストレッチ法 ⇒資料によれば、かつては広く実践されていたようでが、やはり現在では主流とは言えません。 ○もっぱら施術者が行う指圧やストレッチ法 ⇒現在マッサージショップで行われているスタンダードとも言うべきテクニックです。全身の筋肉に対して圧迫を加えたり、ストレッチをすることにより循環を促進させ、体のリフレッシュをはかります。本教材ではこのテクニックを解説しています。 | |
| 圧迫法とストレッチ法 |
現在一般に行われているタイ式マッサージは、圧迫法とストレッチ法に大別することができます。 ○圧迫法:目的の場所に直接刺激を加え循環促進をはかります。 圧迫法の大部分を占めるのは拇指圧、掌圧、手首圧の三種類です。この他に前腕、肘、足底、膝なども使います。 ○ストレッチ法:関節の動きを利用して筋組織を引き伸ばします。一見したところでは手技の目的がわかりにくいかもしれません。質の高い施術をするためには、筋肉の走行(何処から始まり何処に終わっているのか)や関節可動域(二つの骨が関節を介して動く方向とその限界)の知識があったほうが良いと思います。 ○この他にも、拳を使う叩打法や、柔捏法(揉み)などを使います。 | |
| 圧迫法3種:拇指圧 |
![]() 拇指圧(ぼしあつ)・・・基本的には両手の拇指を揃えて使います。指先を突き立てて使うことはしません。必ず指の腹を用います。 より強い圧迫を加える際には両手の拇指を重ねて用います。 | |
| 圧迫法3種:掌圧 |
![]() 掌圧(しょうあつ)・・・手首から指先まで、てのひら全体を使っての圧迫です。広い範囲に圧力を分散したい場合に用います。 | |
| 圧迫法3種:手根圧 |
![]() 手根圧(しゅこんあつ)・・・見た目は掌圧と変わりませんが、手首に近い手根骨のある部分を使って圧迫しています。掌圧にくらべて小さな範囲に大きな力が加わります。 | |
| 【質の高い施術をするために留意すべきこと】 | ||
| 質の高い施術をするために |
マッサージを受ける人に施術中の安心感を与え、心地よい術後感を持ってもらうために、必要な条件を挙げてみました。 ○施術のリズム ○圧力の変化 ○部位の固定 ○相手の状態を注意深く観察力する | |
| 施術のリズムと圧力の変化 |
○圧迫法のリズム:圧迫一回につき2〜3秒です。ストレッチ法の場合はそれよりゆっくりとしていて、少なくとも一回あたり3〜4秒の施術時間を掛けます。 ○体重移動による加圧:圧迫法の場合 快適な印象を得るためには、ゆっくり、滑らかに加圧減圧を繰り返すことが必要です。そのために用いる体重移動の基本テクニックを紹介します。 @目的の部位に近いところに座ります。 A対象の部位に両掌を揃えて置きます。両肘はしっかり伸ばします。 B腰をゆっくり持ち上げて、掌に体重を掛けていきます。腰の上げ下げで圧迫力の調節をします。 ○圧力の変化:ストレッチ法 ストレッチの技法は多数あり、術者の体勢もさまざまです。力の入れ方は圧迫法と同様、急激な操作を極力避けて、できるだけ体重移動を取り入れて滑らかな施術をします。 | |
| 部位の固定 |
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圧迫法でもストレッチ法でも部位の固定はとても重要です。 固定が不充分ですと、術者の力が目的の部分に有効に伝わりませんし、施術をなめらかに調節することが難しくなります。術者も無駄な力を使って疲れてしまうなど、良いことは何ひとつ無いのです。 左の例を見ても、四指や膝、床面、掌を駆使して部位の固定につとめていることがわかります。 |
| 観察力を養う |
産まれつき持っている体の特長は人によってまちまちです。 そこに生育環境による変化が加わるのですから、我々の体にはひとつとして同じものがないことは容易に理解できることでしょう。 施術にあたっては、マッサージを受ける人の体の状態を常に観察し、それに合わせた調節をしなければなりません。 著しい体力低下や熱のある人に対してはマッサージをしないのはもちろんですが、その他にも関節可動域や筋肉の柔軟性に問題がある人も多く、無理な施術を押し通そうとすれば返って痛みが強くなることもあります。 | |
| 施術環境 |
マッサージを受ける人は、床に敷いた50mm厚くらいのマットレスに横たわります。マッサージを受ける人には施術の邪魔にならないよう厚くない衣類を着用してもらい、靴下も取ります。 足の裏に触れるテクニックが多いので必要に応じてマッサージを受ける人の足を洗います。また日本では季節の変化が激しいので室内の温度調節に配慮しなければなりません。 タイでは術者も裸足で施術しています。しかし湿度の高い環境では裸足の足が接することが不快感につながる可能性があり、状況に応じた工夫が必要でしょう。 | |